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石岡良治の個人ブログ:経歴などはカテゴリ「プロフィール」をご覧下さい


by yishioka
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ロザリンド・クラウス「ヴィデオ:ナルシシズムの美学」を翻訳しました

2009年3月31日-6月7日まで、東京国立近代美術館で開催される ヴィデオを待ちながら 映像、60年代から今日へ 展覧会カタログに拙訳が掲載されました。
連続講演会などを含めてかなり充実した企画で、同時代の絵画・彫刻・パフォーマンスなどとの関係を重視したキュレーションによって、映像作品に対する先入観を問い直すものとなっています。なによりも展覧会場に数多く並ぶ「ブラウン管のモニタ」が圧巻です。
カタログの方でも、企画者の三輪健仁+蔵屋美香による図版解説や三輪健仁の序論「不純なる媒体:1970年前後の映像について」が企画意図を明確に示しています。

また、「文献再録」という形で重要な翻訳論文が三つ収められており、順に、
ロザリンド・クラウス「ヴィデオ:ナルシシズムの美学」石岡良治訳
ベンジャミン・H.D.ブクロー「リチャード・セラの作品におけるプロセス彫刻とフィルムについて」三輪健仁訳
リズ・コッツ「ヴィデオ・プロジェクション:スクリーンの間の空間」木下哲夫訳
となっています。
森大志郎+松本直樹のブックデザインの効果もあり、コンパクトかつ充実したカタログになっているのではないでしょうか。

1976年に書かれたクラウスの論文は雑誌Octoberの創刊号に掲載されたもので(他にはフーコー『これはパイプではない』英訳などもありました)、モダニズム批評との関係など、ハイコンテクストな部分を多く含むため、訳注で若干の解題を試みました。
by yishioka | 2009-03-31 01:49 | おしらせ